プラスチックの超音波溶着(接合)
溶着の原理
図のように構成された超音波溶着機で、溶着物をホーン形工具と受台ではさみ込むようにセットし、加圧しながら超音波振動を加える。
ホーン形工具の先端からプラスチックの溶着物に伝達された超音波振動エネルギーは、超音波振動による接合面の接触解離の相互衝突に起因する摩擦発熱効果、接合面に加わる交番正弦応力による熱効果などの作用で、溶着物の接合界面で大部分熱エネルギーに変わってこの部分が選択的に加熱されて、瞬時に接合される。
尚、この超音波溶着の対象となるのは、熱可塑性樹脂である。
溶着の応用例
a) 接合
成形品やフィルムなどプラスチックどうしの接合。
・マウント形・ローレット形
b) かしめ
プラスチックの頭を溶かしながら成形して、金属や異種材料を固定するカシメ方法。
c) インサート
金具をプラスチックに埋め込む。
d) リベンッティング
プラスチックの板どうしを接合する。
e) スウェージング
金属や異種材料の周囲を固定する。
f) ゲートカット
成形品のランナーに超音波振動を印加させて分離させる。
g) 溶断
ナイフ形の工具状にして切断する。
h) シール
シート重ね溶着や袋状のシートのシール。
溶着の特徴
- 0.1〜数秒で接合が出来、接着剤や溶剤接合に比べて乾燥の必要がない。
- 自動化が容易で溶剤や熱溶着に比べて臭いが少ない。
- 高周波溶着のように材料の誘電率に関係なく接合できる。
- 作業が簡単で頑固な接合が出来ると共に気密接合が可能。