工作機械用超音波加工装置

楕円振動切削装置、超音波ドリルなど

楕円振動切削装置・EL-50Σ

社本英二氏 森脇俊道氏 が発明された楕円振動切削法は、楕円振動する工具刃先が切り屑流出方向に移動することで、切り屑が強制的に引っ張り出され切削抵抗が著しく減少する、全く新しい発想の振動切削理論です。

当社は、森脇・社本・鈴木(教和)先生に御指導頂きながら長年研究を続けた結果、今回汎用性に優れた楕円振動切削装置「SonicImpulse EL-50Σ」の開発に成功いたしました。

テストによると、焼入れ硬度がHRC60とドリルやナイフと同等の硬度を有する鋼材や、ガラスレンズ等の金型材として期待されているタングステン合金など従来は超精密・微細切削が不可能とされていた素材を単結晶ダイヤモンドバイトを用い超精密・微細切削でき、刃先の耐摩耗性も良好と云う驚異的な特性が確認されました。

今後、精密光学&IT関連機器・バイオテクノロジーなどの分野での活躍が期待されております。

  • 超精密・微細加工に適した楕円振動切削加工装置として、1〜2μm程度の振幅で39.8kHzの高周波数において、振動軌跡を超精密に安定化(変動量10nm以下)し得る高精度楕円振動制御装置を開発しました。
  • 約40kHz振幅2.5×2.5μmp-pの真円振動で3日間という長時間に亘って安定して継続し、発熱も極わずかであることを確認しました。
  • 構造を簡素化、且つ高剛性化を図り、更に振動子ケース内及び刃先部分を冷却空気が流れて、全体の温度上昇を抑制する空冷装置を設け、小型軽量化したケースを完成させました。
  • 人為的な微調整をほとんど必要とせず、実用的な高振幅の楕円振動を長時間安定して制御することが可能になり、従来の単振動型超音波振動切削装置と同じ感覚で楕円振動切削を扱えるようになりました。

協同研究実施機関:名古屋大学社本・鈴木研究室、多賀電気(株)、太武製作所(株)、(株)樹研工業、(有)ジュケンファインツール
アドバイザ機関 :豊田工機(株)、東海ゴム工業(株)、三菱マテリアルシーエムアイ(株)

メカニズム
切削抵抗の比較

各種切削方式における切削抵抗の比較

従来加工と新加工との比較
慣用切削の切削エネルギー

顕微鏡で観察した単結晶ダイヤモンド刃先の楕円振動軌跡

慣用切削の切削エネルギー

通常切削による超硬合金の溝加工

慣用切削の切削エネルギー

楕円振動切削装置による超硬合金の溝加工

(以上提供:名古屋大学社本・鈴木研究室)

【主な仕様】

定格電圧 AC100V 50/60Hz単相
消費電力 160VA
振動子 ランジュバン型PZT振動子
発振周波数 39.8±1.5KHz
発振方式 マイコン制御DUAL PLL自動追尾
刃先振動振幅 2.5(X方向)×2.5(Y方向)μm 0-p
バイトホルダー 剣バイト
対応チップ 専用チップ使用
保持台重量 1Kg
ローリング角
鏡面加工
鏡面加工

従来不可能だったタングステン合金の鏡面加工〜5 nm Ra程度を達成